関わるすべての人が幸せになる。そんな新規事業を生み出し続けていく

ハッピートライアングルをベースに継続して成長できる事業をつくる

日本駐車場開発グループは駐車場のコンサルティング事業からはじまり、スキー場の再生事業や教育事業など、これまでにいろんな事業を立ち上げてきました。そして、今後も新規事業をどんどん立ち上げていく予定です。多様な事業を立ち上げていく中で、私たちは「ハッピートライアングル」という経営理念を大切にしています。オーナー、ユーザー、社会の3つが正三角形を描くように、関わるすべての人がハッピーになるビジネスを、という考え方です。「そのビジネス、おもしろそうだね」となったら、まずはハッピートライアングルで考えてみる。この3つがバランス良く成り立たないと、継続して成長できる事業にはならないからです。逆に言えば、それ以外の制約はまったくありません。ハッピートライアングルが成り立つ事業なら、どんな領域にも果敢にチャレンジしたいと考えています。

新規事業の取り組みについて

ユーザーの望むエリアに駐車場をつくる。
逆転の発想でハッピートライアングルを実現

横濱:日本自動車サービス開発株式会社は、月極駐車場の運営管理、駐車場とセットでの自動車の貸し出しのほか、月極駐車場の検索サイト運営に力を入れています。駐車場業界はもともとアナログな世界です。そのため、「どこに駐車場があるか」、「今空いているのはどこか」などをデータベース化し、検索できる機能が求められていました。 2000年に自社物件の集客ツールとして検索サイト「日本駐車場検索(開設当時は「パ王」)」を立ち上げましたが、検索サイトという特性上、掲載している自社物件へのピンポイントな集客が期待しにくいという課題がありました。 そこで3年前から、デジタルを活用してより多くのお客様の声を集めることに注力し、日本一の駐車場ニーズを集める会社に、また、集まったお客様情報を分析し、駐車場の課題解決を日本一できる会社にするという目標を設定しました。それまでもアナログ営業では日本一の自負はありましたが、それにデジタルを掛け合わせることで更に成長を加速させようと決めました。具体的には、従来の自社物件の周りに集中して駐車場を開拓してゆく営業スタイルから、オンラインでのお客様からのお問合せが多いエリアに新しく駐車場を開拓するというデータドリブンな形にビジネスモデルを転換しました。これまで駐車場ニーズが多いと感じていたエリアであっても、データを分析すると実際にはそうではないケースもあり、逆も同様にニーズが少ないと感じていたエリアでも、実際には非常にお問合せが多いエリアもあります。毎月の問合せデータをもとにオーナー及び管理会社へアプローチすることで、駐車場で困っている方の課題を解決できるスピードも改善しました。 今後も継続して、駐車場の需給のギャップを分析し、本当に困っているお客様が多いエリアから優先的に駐車場を開拓していくことで、お客様の課題解決をしていきたいと考えています。需給の分析のため、そしてより多くのお客様により多くの情報を届けるため、現在は自社の物件の掲載に限らず、他社が管理されている物件も積極的にサイトに掲載しています。そうした取り組みにより日本駐車場検索の掲載件数は16,000件から58,000件(2023年4月現在)に増加し、お問合せ数も大きく伸びています。

横濱:日本駐車場開発グループは、オーナー、ユーザー、社会の三者がそれぞれしあわせになる「ハッピートライアングル」で社会問題の解決を目指しています。その一つとして、日本自動車サービス開発株式会社は今、車のサイズと駐車スペースのサイズのミスマッチの解消に取り組んでいます。近年、ミニバンや、SUVなどの大型車が人気ですが、今ある多くの駐車場は、自家用車が大型化する以前につくられたものが多く、販売されている車に対して小さすぎるという問題が発生しています。これは社会全体の問題であり、競合他社と大きな駐車場をどこが管理するかで奪い合えば済むような問題ではありません。ユーザーのニーズに沿った駐車スペースの供給を増やすためには、平面もしくは、大きなサイズの駐車場の開拓をしたり、今ある駐車場をリニューアルするといった根本的な課題解決が必要です。とはいえ、駐車場をリニューアルするとなると、多くのオーナーにとっては金銭的負担が問題になります。そこで私たちは、データから見えてくる需給ギャップの分析に基づき、オーナー個人宅の使われていないスペースを活用する提案をしたり、更にはサイズアップの投資を当社自らすることで駐車場のリニューアルを推進し、ミスマッチの解消を図っています。日本自動車サービス開発株式会社の役割は「駐車場」「車」に新しい価値をつくりだしてオーナー、ユーザー、社会に貢献することであり、その結果として会社に利益が還元されるものと考えています。商用から休日のレジャーまで、ユーザーが車を使うシチュエーションはさまざまです。車を使う生活の多様さに沿ったサービスを今後も充実させていきたいと考えています。

日本の未来を支える子どもたちのために、テーマパークの会社だからできることがある

林:日本駐車場開発グループにおいてテーマパークを軸にエリアの活性化に取り組む日本テーマパーク開発株式会社。2020年から加わった那須りんどう湖ファミリー牧場は、アトラクションや体験型の牧場がひとつになったテーマパークです。りんどう湖を中心とした豊かな自然の中でのさまざまな体験をご提供することで、未就学児のご家族を中心に、幅広い年齢層のお客様に楽しんでいただいています。 那須りんどう湖ファミリー牧場のなかで新規事業として取り組みが進んでいるのが宿泊事業です。既に園内にグランピング施設を4棟オープンしていますが、「テーマパークの中に泊まれる」というロケーションの魅力から、土日は連日満室になるほどご好評いただいています。特に花火のイベント期間はご予約がすぐに埋まってしまいます。将来的には、湖を有するというりんどう湖ファミリー牧場の特徴を生かしたショーを実施し、夜間のコンテンツに対する皆さまのご期待に応えられるよう、準備を進めているところです。 グランピング施設のご好評を受けて現在施設の増設を進めており、2025年までには約40棟を目指しています。もうすぐオープン予定の「動物グランピング」は、園内の「アルパカの森」の中にあります。動物が暮らしているすぐ近くで宿泊体験ができるという、子どもたちにとって初めての体験を応援するコンセプトです。 一方、2023年7月から稼働予定の「水上グランピング」では、家具にもこだわったラグジュアリーな空間の中で大自然の夜の雰囲気を楽しんでいただけます。 アルパカと泊まれるグランピングも、湖上に浮かぶグランピングも、日本初の試み。他ではできない体験をしていただくことにこだわっています。

林:私たちが目指すのは「日本で一番、安心安全で楽しい公園」です。特別なときだけ訪れるテーマパークとしてだけでなく、地域の皆様の日常生活の中に位置づく「公園」として、また、保育園のような機能を設けて地域の皆様の子育てを一緒に支えていけるような場所にしていきたいと思っています。日本の抱える少子高齢化課題の解決のためにも、子育てしやすい環境、移住しやすい環境づくりをこの那須からやっていきたいんです。日本駐車場開発グループの手がける事業の中には、テーマパークやスキー場、TCKワークショップなど、子どもたちが育っていく先に関われる場所がたくさんあります。私たちの事業に触れて育った子どもたちが日本を担う存在になっていく未来を見てみたいですね。その初めの一歩として、未就学のお子様に楽しんで来ていただけるテーマパークを主事業とする私たちだからこそできることがあるはずです。 例えば、那須には、個々で地域のために頑張っていらっしゃる方が多くいます。そういう方同士が繋がったり、地域の方と繋がったりする、コミュニティが生まれる場づくりのお手伝いをしたいです。たとえばフリーマーケットや朝市といったイベントを開催したり、私たちの運営する売店も、休日はお土産物やさんとして、平日は地域の方が買い物に来る場として機能するようにしたりといったアイディアを、一つ一つ実現していきたいと考えています。 そうやって那須全体の地域の繋がりが生まれた先に、日本全体の活性化や、子育てしやすい環境づくりが生まれることを願っています。


※掲載情報は取材当時のものです。

PROFILE

日本自動車サービス開発株式会社
取締役
横濱 雄和

日本で出生し、父親の仕事の都合で高校生までインドネシアで過ごす。その後トロント大学に進学し、2019年に知り合いの紹介で日本自動車サービス開発に入社。ダイレクトマーケティング本部 東京ネットグループ 第1チーム長を経て、2021年11月に取締役に就任。

那須興業株式会社
取締役
林 沙紀

2021年新卒日本駐車場開発入社。大阪心斎橋エリアの有人運営駐車場責任者を経て、2022年10月那須興業株式会社取締役就任。